チャールズ・ブコウスキー

チャールズ・ブコウスキー

トムは流れ作業現場のメキシカンの女工たちを見渡した。彼の目には、彼女たちはとびきりの美人揃いだった。彼女たちは退屈で機械的な仕事に、自分たちの時間と生活を取られていたが、何かを失わずに持ち続けていた、何かささやかなものを。 - 『オールドパンク、哄笑する』

午後二時。おれはグランドセントラル・マーケットにいた。肉屋を見つけて、豚の頭のそばに立った。豚の頭蓋骨の、もとは目があったところに空いた穴が、俺を見ていた。俺も見返して、葉巻をふかした。人を悲しい気分にさせるものが、この世にはなんとたくさんあることか。 - 『パルプ』

彼女は両手を頭の上に振り上げる。「わたしは山に暮らす野生の女よ! ああ、男はどこ、どこにいるの、わたしを奪い去るだけの度胸がある本物の男は?」 そうだね、ここにはまずいないね、とわたしはひとりごちる。 - 『詩人と女たち』


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Bukowski

阿佐ヶ谷にいた頃、読みまくった作家、詩人。
ブコウスキーの墓石には、Don't Try ! と刻まれているらしい。優しい。